みなさん、こんにちは!業務ハックLabの「よう」です。 ゴールデンウィーク目前、なんとなく仕事も気持ちも浮き足立つ季節になってきましたね。そんな中、Anthropic からは今週もかなり濃いめのアップデートが届きました!(2026/4/24に投稿した記事に記載のものは除いています。)
📅 2026年4月29日時点の情報です。
📌 今週の要点
- Claude: Memory on Claude Managed Agents がパブリックベータとして公開。エージェントがセッションをまたいで学習・記憶を継続できるようになり、長期反復タスクの品質向上が期待される。
- Claude: Claude Code 品質低下の公式ポストモーテムを公開。推論エフォート低下・キャッシュバグ・レスポンス長制限という3つの変更の複合が原因と特定され、v2.1.116 で全修正済み、使用制限もリセット。
- Claude: Claude for Creative Work を発表。Adobe Creative Cloud(50以上のツール)、Blender、Ableton など9つのクリエイティブツール向けコネクターをリリース。Claude がプロ向けソフトと直接連携可能に。
Claude / Anthropic
Memory on Claude Managed Agents(新規)
⚡ 注目
要点: Claude Managed Agents にメモリ機能がパブリックベータとして追加された。エージェントがセッションをまたいで情報を保持・学習できるようになり、繰り返し実行するタスクの品質が継続的に向上する。
仕様メモ:
- リリース状態: Public Beta
- リリース日: 2026-04-23
- 対象プラン: Claude Managed Agents 利用者(Claude Platform 経由)
- 主な数値仕様: 個別メモリ上限 100KB/ファイル(約25K tokens)。利用には
managed-agents-2026-04-01ベータヘッダーが必要。追加料金なし(標準モデル料金 + $0.08/セッション時間) - 参考: https://claude.com/blog/claude-managed-agents-memory
これまで Claude Managed Agents のセッションは「使い捨て」でした。セッションが終わるたびにエージェントが学んだことはすべてリセットされ、次の起動時にはまっさらな状態から再スタート。(繰り返し業務に使おうとすると、毎回同じミスをされてしまうあの感じ、地味につらかったですよね)
今回のメモリ機能では、記憶がファイルシステム上にテキストファイルとして保存されます。エージェントが同じ bash ツールやコード実行ツールを使ってメモリを読み書きするため、追加のインフラ設計が不要なのがポイントです。変更のたびに監査ログが自動生成され、ロールバックや内容の修正も API・Claude Console から直接できます。(これ、企業のセキュリティ要件的にかなり重要な設計だと思います)
💡 活用アイデア: 毎週実行する定型レポート作成や、社内規則に沿ったドキュメントチェックなど「繰り返し系エージェント」と相性抜群です。過去のフィードバックや修正内容を記憶させることで、回を重ねるごとに精度が上がっていきます。Power Automate で定期トリガーを組み合わせれば、記憶を積み上げながら自律的に改善し続けるワークフローの構築が現実的になってきますね。
Claude Code 品質低下に関するポストモーテムの公開(新規)
要点: Anthropic が、3月〜4月にかけて多くのユーザーが体感していた Claude Code の品質低下について、原因と対策をまとめた公式ポストモーテムを公開した。モデル本体の変更ではなく、製品レイヤーの3つの変更が複合したことが原因と特定され、v2.1.116 ですべて修正済み。
仕様メモ:
- リリース状態: 修正完了(v2.1.116、2026-04-20 以降)
- リリース日: ポストモーテム公開 2026-04-23 / 修正完了 2026-04-20
- 対象プラン: Claude Code 利用者全般(API 環境は影響なし)
- 主な数値仕様: 使用制限を 2026-04-23 に全サブスクライバーへリセット済み
- 参考: https://www.anthropic.com/engineering/april-23-postmortem
「最近の Claude Code、なんか頭悪くなった気がする…」——そう感じていた方、正解でした。Anthropic が公式に認めています。
原因となった3つの変更はそれぞれ独立したものでしたが、時期が重なったことで症状が複合・拡散し、再現・特定が難しい状態になっていました。
① デフォルト推論エフォートの引き下げ(3月4日〜4月7日) Opus 4.6 を Claude Code に導入した際、高推論モードで UI がフリーズするという問題が出たため、デフォルトを high から medium に変更。直後からユーザーが品質低下を報告し始めました。4月7日に high へ戻し、現在は Opus 4.7 が xhigh、他モデルが high をデフォルトとしています。
② キャッシュバグによるシンキング履歴の消去(3月26日〜4月10日) アイドル状態が1時間を超えたセッションで古い思考ブロックを整理する最適化を実装しましたが、実装バグにより「毎ターン」思考履歴が削除される状態になってしまいました。Claude が「自分がなぜその行動を選んだか」を覚えられなくなり、繰り返し・忘却・奇妙なツール選択が頻発。これが使用制限の急激な消費にも繋がっていました。
③ レスポンス長を制限するプロンプトの追加(〜4月20日) Opus 4.7 が過剰に冗長な出力をしがちだったため、システムプロンプトに ≤25 words between tool calls / ≤100 words for final responses という2行を追記。内部テストではすり抜けましたが、後の切り分け検証で特定の評価指標に 3% の低下が確認され、4月20日に削除されました。
💡 活用アイデア: Claude Code をお使いの方は、念のためバージョンを npm update -g @anthropic-ai/claude-code で最新(v2.1.116 以降)に更新することをお勧めします。また、推論エフォートをマニュアルで medium に変更していた場合は high または xhigh に戻しましょう。
※ ポストモーテムとは: 端的に言えば、「次に活かすための前向きな反省会」です。
元々は医療用語で「検死(死後解剖)」を意味する言葉ですが、ビジネスやIT業界においては、「プロジェクト完了後」や「重大なトラブル(システム障害など)の発生後」に行う振り返りや事後検証のことを指します。
Claude for Creative Work(新規)
要点: Anthropic が「Claude for Creative Work」を発表し、Adobe・Blender・Ableton など主要クリエイティブソフトと連携する9つのコネクターをリリースした。Claude がプロ向けクリエイティブツールの中で直接動作できるようになり、繰り返し作業の自動化や自然言語でのツール操作が可能になる。
仕様メモ:
- リリース状態: GA(コネクターは即日利用可能)
- リリース日: 2026-04-28
- 対象プラン: Claude アカウント保有者(一部コネクターは対象アプリのサブスクリプションが必要。例: Autodesk Fusion は Fusion サブスクライバー限定)
- 主な数値仕様: Adobe コネクターは Creative Cloud 50以上のツールに対応(Photoshop・Premiere・Express 等を含む)。Blender コネクターは MCP ベースのため他の LLM からも利用可能
- 参考: https://www.anthropic.com/news/claude-for-creative-work
リリースされた9つのコネクターは、Ableton・Adobe for creativity・Affinity by Canva・Autodesk Fusion・Blender・Resolume Arena / Avenue / Wire・SketchUp・Splice。それぞれ公式ドキュメントへの接地・作業自動化・Python API 経由の操作など、ツールの特性に合わせた設計になっています。
特に注目したいのが Blender コネクター です。Blender の Python API を Claude がそのまま扱えるようになるため、3D シーンの解析・デバッグ・バッチ処理スクリプトの生成が自然言語で行えます。さらに MCP ベースで実装されているため、Claude 以外の LLM からも接続可能。(Anthropic が Blender の OSS 精神を尊重してオープンな設計にしたのは、長期的な信頼関係を考えると賢い選択だと感じます)
💡 活用アイデア: デザイン制作や動画編集を含む業務では、「バッチ処理の自動化」が最初の活用ポイントです。たとえば Adobe コネクターを使えば、複数の画像リサイズ・フォーマット変換・書き出しといった繰り返し作業を Claude に指示するだけで処理できます。M365 環境での業務資料作成と組み合わせ、デザイン → ドキュメント化 → 共有 の一連フローを半自動化するアイデアも現実味が出てきましたね。
今週の所感
今週の Claude / Anthropic は「実務で使い続けるための信頼性強化」に集中した週でした。
Memory on Managed Agents は、単なる新機能というより「エージェントを使い捨てから育てる存在へ」というパラダイムシフトに向けた一手です。繰り返しタスクに投入するほど賢くなるエージェントは、Power Platform ユーザーにとっては Power Automate の「フロー」と組み合わせる文脈でかなり有望だと思います。定期実行 × 記憶蓄積の組み合わせは、今後の業務自動化の柱になり得ます。
ポストモーテムについては、内容の透明性と誠実さは評価しつつも「これだけ多くのユーザーが数週間にわたり影響を受けていた」という事実は重く受け止めたいです。特に Claude Code を本番業務フローに組み込んでいる方は、今後もバージョン管理と品質モニタリングを怠らないようにしましょう。(僕自身、「AIの品質は常に安定している」という前提は捨てておいたほうがいいな、と改めて感じました)


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